スペインワインへの誘い(その⑧~ブドウの樹齢)

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ブドウの樹って若い方がいいの?

スペインワインへの誘い(その⑤~ワイン法って何?)でご説明しましたとおり、ワインの風味はその原料となるブドウによって大きく左右されます。つまり、質の高いブドウからは質の高い(美味しい)ワインができるし、そうでないブドウからは『それなりの』ワインしかできないということです。

勿論ワインの醸造家の努力と最新の醸造技術によって、多少乗り越えることができる部分はあるかも知れませんが、やはりブドウの質はワインの質を決定づける極めて重要な要素です。

では、若い樹と齢をとった樹では、どちらの方が品質の高いブドウが採れるのでしょうか? 多くの方は若い樹と思われるかも知れませんが、実は齢をとった樹の方が品質の高いブドウが採れるのです。

若い樹は元気があり、地中から勢いよく養分を吸い上げ、どんどん枝葉を成長させます。そして沢山の実を結びます。枝葉に養分を取られる上に、残った養分を沢山の果実で分けなければならなくなります。そうすると、ひとつの果実あたりに回る養分はかえって少なくなり、質の高いブドウが出来にくくなってしまいます。

一方で、齢をとった樹は、樹勢が弱く、地中から養分を吸い上げる力もそれほど強くありません。(一方で、根を地中深くまで張っていますので、地下深くから質の高い養分を吸い上げることができます。) 然しながら、枝葉の成長力が弱いので、それらに余計な養分を回す必要がありませんので、果実にはそれなりの養分を回すことができます。また、できる果実の量が限られてくることから、ひとつの実あたりに回すことができる養分は、結果的に多くなります

歴史のあるワイナリーには、樹齢が100年を超えるようなブドウ畑も珍しくありません。そのような畑からは、収穫量は少ないながら、非常に質の高いブドウが採れるのです。下の写真はスペインのカスティーリャ・イ・レオン州にある、樹齢100年を超えるブドウ畑です。

ブドウの実って、あまり沢山採れても良くないんですね。

2017年8月の時事通信の記事、『ワイン用ブドウ、戦後最悪の不作=フランス』にも触れられているとおり、2017年はフランスをはじめ、欧州の主要なワイン産地ではブドウの収穫量が前年比で大きく落ち込みました。しかし、収穫量と品質との間は必ずしも相関関係は成り立たたず、2017年は非常に品質の高いブドウが収穫されたと言われています。従って、2017年ヴィンテージのワインは今後大いに期待できるのです。

まとめ

齢はとっても、若い樹よりも数は少ないながらも質の高い実を結ぶブドウ。私も見習って、齢をとっても、量より質で、質の高いパフォーマンスを出し続けたいものです